【貴州省・少数民族をたずねて】古代から伝わる仮面劇

 

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中国の西南地区に位置する貴州省。
北京から飛行機で三時間(北海道から沖縄くらいの距離)のここ貴州省は、少数民族が多く暮らす地域。
中国は人口の94%を占める漢民族と、55もの少数民族から成り立っている多民族国家。ここ貴州省は「少数民族のふるさと」とも呼ばれ、中国の他の省と比較し少数民族の居住率が非常に高い省。
そんな貴州省へ、少数民族を訪ねる旅へ出掛けました。
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明時代の風習をまもる「老漢人」が暮らすこの一角では、古代から伝わる仮面劇を鑑賞することができます。

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「地劇」と呼ばれるこの仮面劇。
チャン・イーモウ監督の映画『単騎、千里を走る』で、高倉健さんが訪れた場所で踊られていたのがこの「地劇」です。

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地劇は明代の洪武年間に明朝を開いた朱元璋が中国の辺境を制圧した「調兵征南」の時代に、軍隊と一緒に貴州省の安順に入った劇で、この地の屯田兵である「屯堡人」の代表的な民間芸術です。
「中国劇の化石」とも言われ、明代の風俗や劇をよく表しています。

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なぜ「地劇」というのか。
理由は、この劇が舞台の上ではなく地面の上で行われたからです。
そして、仮面も、顔の位置より少し上の方につけて踊ります。
地面の上で踊るため、観客が役者より上から見下ろすことがあるため、顔がよく見えるように仮面を顔の上面につけるのです。

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もともとは、悪鬼を払い疫病を除く儀式としてはじまった「地劇」。
今でもこの辺りで伝統が受け継がれています。

演じる人々は普段は普通の農民であっても、いったんこの地劇の仮面を着けると、たちまち人が変わったように刀や槍を振り回して舞い、扇を高く振り上げます。

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明代にタイムスリップしたかのようなそんな街の、伝統仮面劇です。

 

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中国・北京在住レポーターから届く朝時間 [更新終了]
Written by

麻友子(中国在住)

(中国・北京滞在中)
住めば都、中国からの朝だより。カラープラクティショナー。China-Color に満ちたレトロモーニング風景をお送りします。

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