今日のカフェボンボンは、動物キャラクターが多数登場する長編マンガ。
人気漫画家・イラストレーターのフジモトマサルが、夢の不思議をシュールに描きます。
『夢みごこち』
著者:フジモトマサル
出版社:平凡社
夢みごこちときくと、ふわふわと幸せな酩酊気分を連想するけれど、この作品の夢みごこちは、終わりのない夢。悪い夢がぐるぐるとループする。
夢の中でカモノハシとして目覚めた僕。カモノハシであることに違和感を覚えるけれど、何にも思い出せない。どうやら僕は引きこもっていたらしい。久しぶりに外に出てみたら、素晴らしい解放感!!と思ったとたんに目が覚めて、別世界の違う動物になっている。
遭難、漂流、墓の中。記憶は抑圧されたまま、夢の中の夢は続いていく。なぜか三途の川を渡ってた。舟を降りて入ったバーには死神顔のバーテンダーが。どの地獄へ行くかはダーツで決めろと促されて……。
悪い夢にうなされたまま、いつまでたっても夢から覚めなかったら? 現実と夢のはざまのような世界に迷い込んでそれっきり。そんなのいや。でもね、この居心地の悪さが病みつきになるのです。
動物たちは威厳があって、悪夢にも動じていないようにみえる。フジモトマサルさんの描くカンガルーやクマは、どうしてこんなに素敵なんだろう。
Love, まっこリ〜ナ