冷めると美味しくない…は間違い!?コーヒーの「温度変化」を楽しむ2つのポイント

 

スペシャルティコーヒー専門店「Scrop COFFEE ROASTERS」のバリスタ西崎勇輝さんによる連載「バリスタ直伝!コーヒーをもっとおいしく楽しむヒント♪」では、毎月1回コーヒーをもっと気軽においしく楽しむヒントをお届けします♪

おはようございます!「Scrop COFFEE ROASTERS」のバリスタ西崎勇輝です。

コーヒーをもっとおいしく楽しむためのヒントを紹介する本連載。最終回のテーマは、ゆっくりした週末におすすめしたいコーヒーの楽しみ方です。

コーヒーの「温度変化」を楽しもう

「冷めたコーヒー=NG」ではない!

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週末はゆっくりと自宅でコーヒーを楽しみたい。けれど、ゆっくり飲むことで冷めてしまったコーヒーは美味しくない…。

そんな風に感じたことありませんか?「酸っぱい」とか「雑味を感じる」とか、コーヒーは冷めることで様々な変化がありますよね。

実はこれは、高品質なスペシャルティコーヒーには当てはまりませんスペシャルティコーヒーが持つ要素のひとつに

「爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと」

というものがあります。(出典:SCAJ協会”スペシャルティコーヒーの定義” )

要約すると、美味しいコーヒーは酸味があるけれど、後味に甘さがありますよという意味です。

フルーツでいうとオレンジ、ラズベリーにストロベリーなど。爽やかで明るい酸味がありながら、甘さを感じることができますよね。ただすっぱいと感じるような酸味ではありません。

スペシャルティコーヒーのフレーバーを表現する時、フルーツに例えることがあるのは「甘さを伴った酸味」が重要だから。そしてこれは冷めた時のコーヒーからこそ、よりはっきりと感じることができます。

温度変化が楽しめるコーヒーって?

温度変化が楽しめるコーヒーの条件は次の2つです。

  • スペシャルティコーヒーであること
  • 自分にあった「焙煎度合」を選ぶこと

まず最初に選ぶなら、焙煎度合は、中煎りのコーヒー豆がオススメです。

中煎りのコーヒーは、淹れたてはナッツやカカオのような香り、コクを味わえます。飲みやすい温度帯になると甘さを感じやすくなり、チョコレートやキャラメルのような印象も顔を出します。

そして冷めた状態になると、甘さを伴ったフルーツのような酸味が表れ、爽やかな飲み心地を最後まで楽しめます。

上記はあくまで例えですが、コーヒーの酸味を苦手と感じている方にこそ、スペシャルティコーヒーの中煎りから試してみるのが良いでしょう。きっとコーヒーに対する考え方が変化すると思います。

休日に自宅でコーヒーを淹れて、温かい時から冷めた時までゆっくりとその変化を楽しむ…そんな贅沢な1杯を満喫できるのが、スペシャルティコーヒーの良さでもあります。

「焙煎度合」の選び方

3つの焙煎度合の特徴を覚えよう

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コーヒー豆を選ぶときの指標のひとつにしたいのが焙煎度合です。同じ種類の豆を使っていても、焙煎が違えばその味はかなり違ってきます。

焙煎をおおまかに3つにわけると次のようになります。

  • 浅煎り:軽めで透き通った飲み口。フルーツのような甘さと酸味を感じやすい。 
  • 中煎り:程よいコクがあり、甘さと酸味のバランスがとれている。
  • 深煎り:どっしりとした飲み口。苦さやコクのボリュームが大きい。

コーヒー豆を購入する時には、生産国だけではなくこれら焙煎度合にも注目すると、飲んだ時の味をより捉えやすくなります。

ワインでいうところの「ライトボディ」「ミディアムボディ」「フルボディ」と考えると、イメージしやすいかもしれませんね。

焙煎って?

コーヒーの焙煎を確認するところ

焙煎というのは生豆を加熱して、見慣れた茶褐色のコーヒー豆にする工程のことです。

多くの料理同様に適切な火入れが大切で、浅煎り⇒中煎り⇒深煎りと変化するにつれて豆の色合いは濃くなっていき、味わいも多様に変化していきます。

生豆を仕入れて焙煎して販売する「コーヒーロースター」は、焙煎士という「料理人」が、コーヒー豆という「素材」を、焙煎という「調理方法」で提供しているわけですね。

少し前までは”コーヒー=苦い”というイメージが大半でしたが、ここ最近はサードウェーブ系コーヒーショップの台頭もあり、酸味を楽しむという文化も出来上がりつつあります。

多くの料理が進化・洗練されてきたように、コーヒーもどちらが良い悪いでは無く、様々な味わいを楽しめるようになってきたことは自然な流れだと思います。

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Scrop COFFEE ROASTERSでは、世界最高峰のオークションロットから、日常的にスペシャルティコーヒーを楽しんで頂くためのコーヒー豆まで幅広く取り扱っています。

焙煎度合も豆の特徴や、コーヒーを飲むシーンを想定して変化させたりと様々です。一人ひとりの日常は多種多様ですが、どんな時にでもスペシャルティコーヒーが寄り添うことで上質なものとなるように、日々焙煎し、コーヒーを提供しています。

ぜひScrop COFFEE ROASTERSのカフェ( 青山店/流山おおたかの森S・C店 )やオンラインショップで、スペシャルティコーヒーの美味しさに出会ってみてください。

今月おすすめのコーヒーは「青山ブレンド」

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Scrop COFFEE ROASTERS 青山ブレンド

最後に、今月おすすめしたいコーヒー豆を紹介します。Scrop COFFEE ROASTERS青山店のハウスブレンドである「青山ブレンド」です。

エチオピア2種類にパナマのゲイシャ種をブレンドし、中煎りで仕上げています。豆を挽いた時から、赤いフルーツのような甘い香りを存分に楽しめます。

ドリップした温かいコーヒーは適度なボディ感とコクがありつつも、後味にゲイシャ特有の華やかな印象を感じます。そして冷めてくるとエチオピアのジューシーな果実感と甘さも味わえる贅沢なブレンドです。

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この連載は今回で最後となります。コーヒーをもっと楽しみたいという方は、ぜひバックナンバーも読んでみてくださいね。

みなさんのモーニングコーヒーがより上質なものとなりますように。

感想や質問はScrop COFFEE ROASTERSのSNS(InstagramTwitter)でお待ちしております!

 

この記事を書いた人
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バリスタ直伝!コーヒーをもっとおいしく楽しむヒント♪

スペシャルティコーヒー専門店「Scrop COFFEE ROASTERS」のバリスタに教わる、おうちでコーヒーをおいしく楽しむヒント♪
Written by

バリスタ 西崎勇輝

「Scrop COFFEE ROASTERS」のヘッドバリスタ兼青山店マネージャー。店舗内外でのクオリティチェックやバリスタへのトレーニング、各種競技会への挑戦、セミナーの講師等を務めている。

Scrop COFFEE ROASTERS:https://scrop-coffee-roasters.com/

 

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