日本でお月見にお団子を食べる習慣がありますが、
中国では、旧暦の8月15日の中秋節に、家族や親しい友人が集まり月を愛でながら「月餅」というおまんじゅうを食べる習慣があります。

中国茶とともに、頂きます。
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現在は、中秋節が近づく頃、親しい人やお世話になっている人に月餅を贈ることが盛んで、日本のお歳暮やお中元のように、様々な月餅が販売されます。
外資系の有名ホテルや、スターバックスなどでも、オリジナルの月餅と包装パッケージをそろえ、値段もピンキリ。
また、数多く贈る手間を省いたり、新しいものを入手できるように、特定の店で使える月餅専用の商品券を贈る場合もあるようです。

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「面子」を特に気にする中国では、お土産や贈り物は、中身より箱が豪華だったりしますが、月餅を贈る際も、ただ贈るのではなく、色々と趣向を凝らせます。

金箔を貼ったり、箱に手刺繍を加えた豪華な物。
箱に時計やワインといった高価な商品を詰め合わせてある物。
10万円以上の値が付けられ、売られているものもあります。

こちらは、シルクの布に刺繍が施してある包装箱に月餅が詰められています。
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また、子供向けに、このような可愛らしい柄のものも。
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そんな、「月餅商戦」が加速する中、
中国政府は 2005年以後、月餅の包装や詰め合わせものの価値が、月餅そのもののコストの20%を超えてはならないという法律を制定しました。

それもそのはず。
豪華な箱に詰められているお菓子は、素朴な味のお饅頭なのですから。

月を愛でる習慣は日本は縄文時代にはじまったと言われていますが、
中国ではさらに古い時代にそのルーツがあると言われ、北京でも多くの「お月見の名所」があります。

たとえば、「盧溝橋事件」で知られる盧溝橋もそのひとつ。
このような雅な風景を観る為に、大勢の中国人がここを訪れます。

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(http://www.arachina.com/festivals/mid-autumn-festival/beijing.htmより画像をお借りしました)

月を愛でながら、秋の訪れを楽しみましょう。

 

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中国・北京在住レポーターから届く朝時間 [更新終了]
Written by

麻友子(中国在住)

(中国・北京滞在中)
住めば都、中国からの朝だより。カラープラクティショナー。China-Color に満ちたレトロモーニング風景をお送りします。

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