朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『山の帰り道』。
以前、カフェボンボンでご紹介した本が文庫化されました。山を愛するイラストレーター・沢野ひとしがつづるエッセイ集、心躍る山の話が満載です。夏休みの読書にもオススメです。
『山の帰り道』
著者:沢野ひとし
出版社:KADOKAWA
山の帰り道。なんて心安らぐ言葉だろう。
山道を下る時には遠く見えた町の灯りが、だんだん近づいてくる。「山登りは登る前より下山のときのほうが心が満ち足りている」と語る著者は、山里に下りて山を振り返るのが好きだといいます。
少年時代から山に魅せられ、国内外の山に登ってきた沢野さん。山への憧れは少しも薄れることなく、いまも丹沢や南アルプスの山々に登ります。ただ、若い頃と変わったことも。慎重に山歩きをするようになったし、山登りを教えた息子とは立場が逆転。何より、山の魅力を最初に教えてくれた兄の死が、沢野さんを変えました。山への憧憬、死を覚悟した山の大事故、愛用の道具のこと……。山で過ごした忘れがたい日々がよみがえります。
沢野さんの目標は多摩丘陵の自然を絵に描くこと。緑が多く残る町田市郊外に住み、愛犬と散策を楽しむようすは子どもの遠足のよう。本書は町田の奥深さも教えてくれます。
「中央線のあずさで飲む酒は北アルプスの雪解けの味がする」。その山に登った者だけが知る唯一無二の味。世の中にはそんなことがたくさんあるのだとしみじみ感じました。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
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