これはとある日のバスの車窓からの風景。
実はこのとき、私の背後で喧嘩が繰り広げられていました。
バスに乗っていると、乗客同士で口喧嘩が起こり、私も何度か遭遇していますが、
おもしろいのは、出身地同士の喧嘩になるのがほとんどだという点です。
このときは、
とある人がぼそっと「上海はこんな北京みたいな渋滞は起こらない」と言ったことから。
そしたら、北京人がムッとして、上海の悪口を言い始めます。
すると、別の出身(このときは山東省の人でした)の人がその喧嘩に加わり、自分の出身地と比較して、北京は、、上海は、、という風にどんどん広がって行きます。
聞いていると面白いのですが、
最近中国では『你是哪里人?(あなたはどこの出身?)』という映画も放映されました。
北京に戸籍がある人、ない人。
そんな中国の戸籍をめぐる群像劇です。
北京に戸籍がある人と結婚をすること、
北京で家を買うこと、
勤める会社で北京の戸籍を工面してもらうこと、
いろいろな方法がありますが、
北京の戸籍というのはそれだけでブランドなのです。
とはいえ、
この広い中国。
北から南まで、それぞれの地元を誇りに思うのは、日本人以上です。
そして北と南では、言葉が通じないくらい、それぞれの「訛り」もあります。
この北京では「北漂(ベイピァオ)」と呼ばれる、
いわゆる地方から北京へ出て来てお金を稼ぎに来ている人たちが大部分です。
彼らにとってのこの大都会・北京で、
様々な人間模様が繰り広げられているのです。
そんなとある日の、バスの車窓より。