北京の街は赤い横断幕で溢れています。
モラルに関するもの、共産党関連のものなど、赤い布に白い字で書かれた漢字群は、中国の中でも北京がその数がもっとも多いのではないでしょうか。
そしてちょうど去年の今頃定められたのが「北京精神」。
「北京精神」とは「過去から未来への通過点にある、現代における北京の気質や精神」を表現するために制定されたもの。
「愛国、刷新、寛容、道徳」という八文字がそれです。
この八文字は北京の街のどこにいても頻繁に目にします。
そしてこちらのニュースなどを見ていると、
「彼は北京精神にのっとった行動をした」などと「北京精神」ということばをよく耳にもします。
ただ、市民の大半は冷笑しているとか。
「北京精神といえば、渋滞、あふれる役人、砂ぼこり、とりとめのないおしゃべりのことだろう」。
と。
この文字が大きく掲げられた塀の前、
市民はまるでそんなことは気にしないかのように、
それぞれの朝を迎えています。