こちらは北京市内にある世界遺産「天壇」。
以前、ご紹介したことがある場所ですが、秋の風の涼しい季節に再びこの場所を訪れることができました。
ここは「天を祀ってある場所」。
そしてここに建っている建築物は基本的に「円形」で出来ています。
これは、古代中国の「天圓地方」(天は丸く、地は四角い)の宇宙観を表したもの。
中国人は昔から、「天」は至上のものであり、万物を支配するという最高権威と考えてきました。
皇帝は、「天命」を受けた「天子」であり、説明のつかないことを「天意」と呼びます。
そして、「天意」に背いて行えば、天が怒って「天罰」をくだし、人間は、「天命」に従うほかない――。
こうして昔の人々は、神殿を建て、天神を祀り、圜丘(円形の壇)を造り、盛大な天を祀る儀式を執り行って、天神の加護を祈りました。
この天壇がまさにその場所。
皇帝は天の声を聞くために、この場所にある円形の小高い丘に立ったそうです。
ここにはたくさんの観光客が訪れます。
そして、形は違えどそれぞれの祈りを捧げ、広い空を見上げます。
とても荘厳な雰囲気の漂う場所です。
北京にはこの「天壇」の他に、「地壇」「日壇」「月壇」などがあり、中国の古い思想が形になった建築物がたくさん残っています。
味わい深い北京の秋です。