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北京から新幹線で4時間、中国の山東省に位置する港湾都市「青島(チンタオ)」。異国情緒溢れるこの港町ですが、かつてドイツがこの地を極東における本拠地とし、“モデル植民地”として街並みや街路樹、上下水道などが整えられました。今なお残る西洋風の町並みや青島ビールなど、ドイツがこの町に与えた影響はとても大きく、場所によってはまるで中国らしからぬ風情が溢れています。
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夏真っ盛りの青島。
街の時間は海を中心に回っているようです。
ビーチには老若男女。
このポーズが流行っているのでしょうか。
海辺の商店。
小さなクラゲが瓶に入れられて売られています。
そしてこんな看板も。
「当店はフィリピン人と日本人を受け付けしません」と言いたいのですが、日本語訳がかなり間違っていて、いかにも中国の観光地にある反日の看板です。
中国の観光地ではどこででも何軒かこういうお店を見かけます。
わたしたちが旅行をしたのは8月15日。
地元の人たちとタクシーを相乗りさせてもらったりしたのですが、彼らはやはり「靖国」「安倍」というキーワードを私達にふっかけてきました。話をしているととても人懐っこい良い青島の人たちですが、日本人以上にこういう話題が大好きなのです。
わたしたち夫婦で歩いていると、風貌や格好のせいか、中国ではだいたい日本人とは思われません。
主人は香港人、私はどこに行ってもだいたい中国の南方の広東地方の顔つきと言われます。
そのせいか、交通事情の悪いここ青島でも、タクシーに適正価格で乗車できました。
とあるタクシー運転手には「君らが最初から日本人だと知っていたら、100元って言ってたよ!」とのこと。実際このタクシーでは40元で乗車していて、他の中国人と同じような価格で乗れるので、幸か不幸か、日本人とは思われないわたしたちはラッキーですね。
もちろん中国語を話し始めるとボロが出て来るのですが、方言が多い中国ではそれほど流暢ではない自分たちの中国語でも「どこの中国の方言かな?」ということで、だいたい「どの地方の出身?」と聞かれます。
潮風を感じながら、中国を感じながら、やはり中国はいろんな意味で広く深く、そして色々なものを与えてくれる国です。
日本からの中国への観光客数が、1年前の反日デモ以来ずっと回復せぬままのようですが、是非一度日本のみなさんも毛嫌いせずに、一度この広い大地に足を降ろして欲しいとわたしは思います。
ネットで色々な批判批評をするのはそれからだと思うのです。
まずは一度、見て聞いて感じて匂って味わって、すべてはそれからです。
わたしたちの間に横たわっているのは、国の違い・価値観の違い、であって、実際に体験する前から嫌悪し、食べず嫌いになる対象の国ではありません。