この美しい庭を持つ家—。
ここは「宋家の三姉妹」で有名な宋慶齢が晩年の18年間を暮らした邸宅です。
入り口はこんな立派な門構え。
それもそのはず。
宋慶齢は、「中国革命の父」「国父」などと呼ばれる孫文の妻。
そして彼女自身も、政治家であり、「中華人民共和国名誉主席」の称号を与えられた人物でもあります。
門を入って行くと、その邸宅の広さに驚きます。
中国風の回廊に、池、大きな庭。
そして、邸宅が現れます。
この洋風のような、中華風のような独特の邸宅は、
宋慶齢が住む前は、ラストエンペラー溥儀のお父さんの邸宅だったそう。
↑
孫文と宋慶齢の結婚写真。
彼らは日本に亡命している際、日本で結婚をしています。
「宋家の三姉妹」として日本でも有名な彼女たち。
妹の宋美齢は、中国としてはかたき役の蒋介石夫人になり、長女の宋靄齢は財閥の当主の婦人となりました。あの『宋家の三姉妹』という映画では、この三人について、『一人(靄齢)は金を愛し、一人(美齢)は権力を愛し、一人(慶齢)は国を愛した』というフレーズが使われていますが、もちろん、このような表現の仕方をすれば、この邸宅の主、宋慶齢が一番、立派なのでしょうか。
そのような単純な話ではないのだと思いますが、
この邸宅、北京にある湖「后海」というところのすぐそばに建っています。
邸宅を出ると広がるのは、この広い湖の静かな景色。
ちょうどこの写真の建物の裏あたりが、彼女の邸宅です。
上海生まれで、故郷の上海にある洋風の邸宅で暮らすことの多かったという彼女ですが、北京のこの湖を眺めながら、ゆったりとした気分になったに違いありません。