ここは北京駅。
北京に出稼ぎにやってくる人たちで溢れかえっています。
たとえば飛行機で2時間の場所へ、
新幹線で5時間、
快速で8時間、
鈍行で17時間。
もちろん鈍行などを使うと、3000円程度で北京から中国の北の端までいけたりします。
重い袋をたくさん抱え、小さな子供を抱え、出発の時間までホームや路上で地べたに座って待っていたりします。
たくさんの物乞い。
汚れた服で地べたに寝そべる子供たち。
ニセモノを売りさばく行商。
全身に軍のバッチをつけた人民服の老人。
いたるところで罵声が飛び交い、
ものすごい喧騒の中、
中国の人たちは各地から、北京という大都会へやってきて、
そしてここから去っていきます。
こういう場所はじっととどまっている場所ではなく、
外国人も、お金持ちもいません。
私が歩いていると、ジロジロ見られます。
でも、ここに立っていると、
大きな中国のいろんな階層の、いろんな世界が見えてきます。
そして、ここで飛び交う言葉は、標準語がとても少ないので、
聴き取ることができなかったりします。
大都会の北京で、外国人がたくさん集まる綺麗な場所で、そこだけしか見ない人たちもたくさんいるけれど、外国で暮らすということは、その国のいろんな部分をきちんと見て知ることだと私は思っています。
だから、ローカルな中国のことを語ることも、わたしは少しは自信があります。
朝の北京駅はまさに、ごちゃごちゃした世界。
人間の交差点。
