朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ～ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ～ナのカフェボンボン」の本棚は、『川っぺりムコリッタ』。
この夏おすすめの小説、文庫新刊です。映画「彼らが本気で編むときは、」「かもめ食堂」の荻上直子監督が描く、人の優しさが心にしみる物語です。映画「川っぺりムコリッタ」も１１月に公開予定です。
『川っぺりムコリッタ』
著者：荻上直子
出版社：講談社
物語の舞台は川べりの木造アパート、ちょっと変わった名前の「ハイツムコリッタ」。半年前に刑期を終え出所した「僕」は、ここに鞄ひとつだけで引っ越してきた。新生活が始まっても何も期待しない。つらい過去を背負ってひとりで生きてきたから、これからも誰とも関わらずひっそりと生きていく、この川べりで。
でも、アパートの個性的で風変わりな住人たちがそうさせてくれない。隣の部屋に住む島田という男は、いきなり「風呂貸して」と洗面器持参でやってくる。誰にも邪魔されたくない僕は、島田を追い出しドアを閉めたのだけれど——。
ムコリッタの夏の日々、頑なな僕の心はほどけていくのか。魅力的な大家さん・南さんの長いスカートの色、アパートの庭の畑で採れたみずみずしい野菜、土手から見上げる夕方の空。住人たちと心が通うにつれて、彼の目に映る風景も色鮮やかにやわらかく変化していくような気がします。
人のさりげない優しさがこの世界を輝かせる。松山ケンイチさん、ムロツヨシさん、満島ひかりさん、吉岡秀隆さんらが出演する映画の公開が待ち遠しいです。川内倫子さんのカバー写真も好きです。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ～ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
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