朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ～ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ～ナのカフェボンボン」の本棚は、『ハジの多い人生』。
文筆家の岡田育が「世界のハジッコ」でつづったエッセイ集。生きづらさを感じる時にオススメの一冊です。
『ハジの多い人生』
著者：岡田育
出版社：文藝春秋
岡田育は世界の真ん中じゃない場所で生きてきた。学校の教室の隅っこで、ひとり休み時間をやり過ごしていた。「あの賑やかな教室の中心には、いったい誰がいたのだろう？」こんな問いかけが心を打つ。
痴漢だらけの満員電車で女子校に通い、いつだってひとりで行動して、変わった子なんて言われてきたけど、どうにか生き延びてきた。「あなたはあなた、私は私」これは母親との関係について言及されたものですが、著者の生き方の根底に流れているものだと思います。
でも、ハジッコ＝不幸なわけじゃない。本書につづられた著者の愛するものを読んでいると、真ん中かハジッコかなんてあんまり関係なくなってくる。メガネ男子愛を貫くためにレーシック手術を受けたり、片想いの男性に黒髪ストレート美人の彼女ができたら、真っ青のベリーショートにしてみたり。人の目なんて気にしない。あなたはあなた、私は私。そしてハジッコはちょっと過激で楽しくもあるんですね。
恋愛感情というものがよくわからないという著者は、昔の恋人や好きだった人をこんなふうに気にかける。「ちゃんとごはんを食べているのかしら、誰かと」「少しでも幸福にごはんを食べていられるのならば、それでいい」この言葉にほろりとしました。ハジッコには岡田育の優しさがじわっとにじんでいるのだ。
ハジッコの苦さも甘さも詰まった一冊をどうぞ。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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