朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ～ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ～ナのカフェボンボン」の本棚は、『ファミリー・レス』。
注目の作家・奥田亜希子が「家族」のかたちを描いた連作小説集。人とのつながりのなかで、毎日が息苦しいときやさみしいとき、心にしみる作品です。
『ファミリー・レス』
著者：奥田亜希子
出版社：KADOKAWA
シェアハウスに暮らす希恵は、今日もルームメイトの葉月さんと朝ごはんを食べる。「同じテーブルを挟み違うものを食べる」関係を不思議に感じる希恵だけれど、嘘やごまかしのない葉月さんと一緒にいるのが嫌じゃない。
希恵はごはんを食べながら「ねえ、これ見て」とスマートフォンを取り出し葉月さんに写真を見せる。生まれたばかりの赤ちゃんは希恵の姪、絶縁した姉の子どもだった——。
家を出る原因となった姉の裏切りを許せない希恵。そんな自分に誰より傷つきながら彼女の心はいつも揺れている。姉妹のつながりに変化はあるのか。そして、同じ屋根の下に住む葉月さんとの距離は、絶縁した実の姉より遠いのか。
連作短編集のなかで描かれる家族のかたちはさまざまで、本当の家族になりたくてなれない人や離れ離れになってしまいそうな人たちもいます。でも、それぞれがもがきながらも前に進もうとする姿にグッときます。
自分が守りたい人がいる。大切に思う人がいる。それだけでじゅうぶん。読んだあとはきっと、いつもそばにいてくれる誰か、遠くであなたのことを想っている誰かを抱きしめたくなります。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ～ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
＊朝読書のすすめ『まっこリ～ナのCafe BonBon』連載一覧はこちらです。
https://asajikan.jp/topics/cafebonbon/
朝読書のすすめ『まっこリ～ナのCafe BonBon』はこちら＞＞
